ひぐらしのなく頃に 神落し編
2010/01/03_222441通話記録
「はい、もしもし」
“あら、まだこの番号、通じるのね”
「鷹野さん、ですか? お疲れ様です」
“そんなにかしこまらなくても良いのよ。小此木さん、居るかしら?”
「はい、………………わかりました。少々お待ち下さい」
“時間も無いから早くしてね”
(数十秒の沈黙)
『はい、小此木です。──鷹野さん? 今までどうしたんね。いきなり居のうなっ』
“良いのよ? 今さらそんな取り繕わなくたって。あまり時間も無いから一言だけ。番犬を上手くあしらって貰いたいのだけど”
『──どういうことですか? なぜ番犬が……』
“あら、判っているでしょ? 番犬は既に高津戸地区付近に展開済のようね。これからどこに向かうつもりかしら? くすくすくす”
(数秒の沈黙)
“あらあら、本当にご存知ないのかしら? 『野村』も罪な人ね。 くすくすくすくすくす”
『番犬は最悪の事態に備えて待機していると聞いています』
“本当にそうかしら? くすくすくすくすくすくすくすくすくす。『最悪の事態』で番犬に追い立てられるのは誰かしら? 私? それとも──山狗?”
『番犬は雛見沢住民の暴動が早期に発生した時に備えて待機していると聞いています』
“あなたも気付いているのではないのかしら? くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす。『野村』は女王感染者の死亡による急性発症なんて信じてはいないわ。『野村』が自分の信じていないことのために番犬を出動させるというリスクを犯すかしら?”
(数秒の沈黙)
“まあ、建前上、『野村』が番犬にそう指示している可能性はあるわね。「女王感染者死亡に備えて待機せよ。女王感染者の死亡が確認されたら、至急事態の収束を図れ」といったところかしら? くすくすくすくすくす────────────でも、もしも本当に女王感染者の死体が見付かったら…………どうなっちゃうのかしら? 山狗どころの話じゃなくなっちゃうわね”
(数秒の沈黙)
“梨花ちゃん──女王感染者だけど、どうも鬼ヶ淵に向かっているみたいね。鬼ヶ淵の底に沈んで隠れるつもりかしら? 底無し沼という噂もあるし。くすくすくすくすくす──────もしも女王感染者の死体が必要だったら、急がないと二度と手に入らなくなるわね”
『──信じられない──裏切り者の言うことなんて────』
“あら、それはお互い様じゃないのかしら? 裏切って裏切られてまた裏切って───くすくすくすくすくす。だけど、お互い番犬から逃げ切らなくちゃいけないから、そのための駒は有効活用しなきゃいけないんじゃないのかしら?”
『──────信じられない』
“まあ、良いわ、ダメならダメで。自分の身一つなら何とでもなるわ。──────山狗みたいな組織になると逃げるのも大変ね”
『───信じられない』
“上手く逃げられたら、またどこかで会いましょう”
『───信じ───られない』
(通話終了)
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